お知らせ
2024.10.10研究
クレアチンの抗カルボニルストレス作用を評価した研究がInternational Journal of Molecular Sciences誌に掲載されました。
メチルグリオキサールは糖代謝の副生成物であり、生体内でタンパク質と容易に反応して終末糖化産物(AGEs)を生成し、様々な疾患の発症に関与する可能性が報告されています。一方で、クレアチンは生体内のエネルギー代謝を担っていますが、脳内におけるAGEs蓄積に対する効果は検討されていませんでした。本研究において、クレアチンのメチルグリオキサールに対する高い反応性が明らかとなり、LC-MS/MSによる解析ではその反応生成物の構造が推定されました。また、SH-SY5Y細胞を用いた検討から、クレアチンはメチルグリオキサール誘導性の細胞障害とAGEsの蓄積を抑制することが解りました。今後は、クレアチンのAGEs蓄積を伴う神経変性疾患などへの治療効果の検討が望まれます。
S. Koike et al. Int. J. Mol. Sci. https://www.mdpi.com/1422-0067/25/20/10880